経済インサイド

生保はなぜ大学と連携してデータサイエンティストを育成するのか (2/3ページ)

 他社もビッグデータ解析には熱意を注ぐ。日本生命保険は大阪大学と医療ビッグデータを活用した共同研究に取り組み、明治安田生命保険も弘前大学とベンチャー企業と協力し、病気の予防・早期発見に関する研究を進めている。

 生保は顧客の健康状態や病歴など、極めてセンシティブな情報を抱えている。これら、使いようによっては「宝の山」ともなる個人情報を解析することが生保の狙いだ。

 新たな商機を

 生保がこのような取り組みに注力するのは、既存の保険ビジネスへの頭打ち感がある。

 人口減少に伴う市場の縮小懸念もちらつく中、膨大なデータを分析することで新たなビジネスやサービス創出につなげる意図があるのだ。ある生保関係者は「医療保険は拡大傾向にあるが、死亡保険にはニーズの頭打ち感がある。余裕があるうちに次の手を打っておく必要がある」と話す。

 昨年から各社が相次いで発売し、直近では明治安田生命が4月から販売を開始した健康増進型保険は、健康への取り組みや健康診断結果が保険料などに反映される商品性格上、これまで以上に細かいデータの収集が可能だ。

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