高論卓説

令和経済を牽引する条件は 海外で稼ぐ「翔ぶ企業」を高評価 (2/2ページ)

 日本経済新聞に平成の30年間の時価総額の銘柄別増減ランキングが載った。増加のトップはトヨタ自動車。以下、キーエンス、日本電産、ソニー、任天堂と続く。いずれも海外で大きな利益を稼ぎ出した企業ばかりだ。任天堂の海外売上高比率は78%。時価総額が7兆円に迫るユニクロを展開するファーストリテイリングは上場30年未満でランキングの対象外だが、直近決算期の連結営業利益は国内と海外がほぼ拮抗(きっこう)する。半面、減少ランキングの上位にはNTT、東京電力ホールディングス、野村ホールディングス、東京ガスなどが並んだ。所轄官庁の規制が強い「収益依存内弁慶型」業種に属する銘柄群だ。

 世界の株式市場を今、席巻するのはGAFA(グーグル、アマゾンなど米国に本拠を置く4つの巨大IT企業)に代表されるデジタル時代の勝者だ。戦後昭和の成功体験から抜け出せなかった日本はデジタル化に遅れた。小林喜光・前経済同友会会長(三菱ケミカルホールディングス会長)は退任会見で、日本人を「茹(ゆ)でガエル」に例えた。「舊來(きゅうらい)ノ陋習(ろうしゅう)」を破れなかった。「泣こかい、とぼかい、泣くよか、ひっとべ」。薩摩弁で「ウジウジ逡巡(しゅんじゅん)するなら、思い切って飛んでみろ」の意だ。司馬遼太郎著の『翔(と)ぶが如(ごと)く』の題名の由来にもなった。日本企業が「ひっとぶ」条件は整う。何より手元資金が潤沢だ。令和の時代も海外で稼ぐ「翔ぶ企業」の株価が高く評価されよう。

【プロフィル】加藤隆一

 かとう・りゅういち 経済ジャーナリスト。早大卒。日本経済新聞記者、日経QUICKニュース編集委員などを経て2010年からフリー。東京都出身。

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