サッカー元スペイン代表のアンドレス・イニエスタ選手らの加入で話題を集めるJリーグ・ヴィッセル神戸が今季から、1席30万円という超高額チケットの販売を始めた。スタジアムを訪れるファンに「特別な観戦体験」を提供しようと、グラウンド間近のVIP席を用意。さらに専用ラウンジの利用やサイン入りユニホームのプレゼントなど豪華特典が満載だ。近年、特別席の設置やユニークな観戦企画を行うチームが増えており、ついにはホテルやマンションを併設したスタジアム構想も浮上。来年の東京五輪に向けスポーツ界が盛り上がるなか、今後のスタジアム観戦に注目が高まっている。(林信登)
間近でスターを堪能
「スター選手のプレーをこんなに近くで見ることができ、夢のようだ」
4月14日にヴィッセルの本拠地「ノエビアスタジアム神戸」(神戸市兵庫区)で開催されたサンフレッチェ広島とのリーグ戦で、ヴィッセルベンチのすぐ隣、タッチラインからわずか6メートルの特別シートで試合を観戦した熊本県八代市の30代の会社員男性はこう話し、満足そうな表情をみせた。
男性が購入したのは、1席30万円の特別チケット「1day VIP ticket」。ヴィッセルが今季から本拠地での主催試合を対象に販売し、試合ごとに最大35席が用意される。関係者やヴィッセルによると、1席30万円はJリーグでは断トツの高値で、東京五輪の開会式の席の最高価格と同じだ。特別チケットの販売は当初の想定を大きく超える勢いで、海外からの問い合わせもあるほか、すでに2度購入したファンもいるという。