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内航海運、人手不足に危機感 船上生活敬遠 規制で外国人雇えず (1/2ページ)

 原材料や工業製品などを運搬する内航海運業界が人手不足に危機感を募らせている。国内の港を巡るため、自宅に帰らないまま船上での生活が数カ月続くなど特有の勤務形態が敬遠されているからだ。規制で外国人が雇えないこともネックになっている。経済への影響も心配され、国も対策に乗り出している。

 3月中旬、名古屋港に由良機船(名古屋市)の貨物船が着岸し、建築用の木材を大型クレーンで次々と降ろしていた。広島県呉市で積み込み、岡山、大阪、名古屋、静岡、千葉と回る輸送の途中だ。茨城県の鹿島港で新たに木材を積んで逆に進む。3カ月このルートを繰り返す間、船員は船で寝泊まりし、その後1カ月休む。山下真次船長(53)は「人手が足りず作業量が多くなり、20代が入社しても数年で辞めることが多い」と嘆く。

 国土交通省によると、内航海運(フェリーを含む)の船員は1970年代のピーク時に7万人を超えていたが、2017年は約2万8000人となった。バブル崩壊後の景気低迷で船の数が減った要因が大きい。一方、輸送量は下げ止まり、最近は年4億トン弱で推移。船員の有効求人倍率は2倍を超える。輸送品目はセメントや石油製品、鉄鋼など基礎的な産業物資が大半を占め、人手不足で輸送が滞れば生産活動に支障が生じる恐れもある。

 しかし、安全保障などの観点から内航船は自国船、船員も自国民に限るとし、世界でも一般的な「カボタージュ制度」を日本も取っており、外国人を雇用できない。船員の半数超が50歳以上で、30歳未満が2割を下回る現状を考えると若手の確保も急務になっている。

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