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ドコモとコマツが建機のデジタル化で協業 測位衛星システム活用

 NTTドコモとコマツは28日、建設機械のデジタル化で協業すると発表した。準天頂衛星などの測位衛星システムを活用して誤差数センチメートルの高精度で測位することができるドコモの技術を使い、建機の遠隔操作や建機同士の協調稼働をできるようにする。安全性や生産性の向上に加え、人手不足などの社会課題の解消にもつなげたい考えだ。

 ドコモは国土地理院が全国約1300カ所に設置した装置と独自に設置した固定局によって測位衛星の観測データを収集、携帯電話の通信網を通じ、高い精度の位置情報を配信する基盤を構築した。今年3月から技術検証を行い、誤差2センチメートル以内の測位精度が実現できることを確認。10月にコマツに提供を開始する。

 コマツはこの基盤を用い、自動走行や協調制御が可能な高度化した建機の開発を進めるほか、従来型建機に後付けでこうした機能を付加できるキットも来年4月から発売する。国内で稼働する建機のうち、これらに対応するのは2%程度にとどまるといい、小川啓之社長は「建設現場をデジタル化し、人手不足などに先陣を切って取り組む」と語った。

 高精度の位置情報の基盤はIoT(モノのインターネット)ビジネス普及のカギを握っており、ドコモの吉沢和弘社長は「まず建機や農業機械で開始するが、将来は事業領域をさらに拡大できる」と多様な分野で活用していく考えを示した。

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