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ルノー取締役会、運命の6時間 日産の棄権表明で一転 FCAとの統合破綻劇 仏紙が報道 (1/2ページ)

 【パリ=三井美奈】欧米フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)が仏ルノーとの経営統合案を撤回したのは、5日のルノー取締役会が、日産代表の「棄権表明」を受けて統合案をめぐる採決を延期したのが引き金になった。6時間に及んだ取締役会の様子が6日、仏メディア報道で明らかになった。

 取締役会はパリ郊外の本社で、十数人が参加して5日午後6時に始まった。ルノー筆頭株主の仏政府とFCAは同日までのやりとりで、新会社の経営や雇用で大枠合意に達していた。休憩をはさみ、寿司とピザをつまんで話し合いが行われ、統合に反対したのは労働組合の代表だけだった。

 午後11時ごろ、日産が派遣する2人の取締役が採決を棄権する意向を表明。1人は「同意まで数カ月かかるだろう」と述べた。ルメール仏経済・財務相と電話でやりとりしていた仏政府派遣の取締役は、日産の明白な合意が不可欠だと主張して、5日間の採決延期を求めた。ルメール氏は8日から福岡で開かれる20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議出席のため訪日する予定で、この間に日本側を説得する計画だった。

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