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ワークマンが成功した本当の理由 「安いのに高機能でオシャレ」に違和感 (2/3ページ)

 ここまで言えばもうお分かりいただけただろう。絶好調ワークマンを語る際に、メディアや評論家が嬉しそうに語っている「プロ向け作業着の品質を生かして激安なのに高機能でオシャレ」というのは、別にワークマンが最初に考えたことでもなんでもない。むしろ、作業服業界的にはかなり昔から、どこでも当たり前のようにやっている「一般客獲得戦略」なのだ。

「インフルエンサーマーケティング」に力

 という話をすると、「他の作業服メーカーと違ってワークマンはデザインがいい」とか「ワークマンが一番機能性が高い」とかなんだという方向へもっていきたい人もいるだろうが、これまでご紹介したメーカーの製品を実際に手にとってご覧になっていただきたい。

 みな現在のトレンドを意識した今風のデザインで、カラーも豊富にそろっている。機能面も折り紙つきで、それでいてしっかりと価格も抑えられている。ワークマンの製品と比べても決して遜色はない。中には、デザインやコスパ的にはワークマン以上というものも散見される。

 製品的にはそこまで大きな差はないメーカーが群雄割拠する中で、1社だけがポコンと頭を飛び出した。どうしても世間的には「製品」に注目が集まるので、とかく成功を「製品」に結びつけたがる。

 が、ちょっと冷静に考えてみれば、製品にはそこまで大きな差がないのだから、その1社は他のメーカーがやっていない独自の取り組みをしていたはずである。その何かが「差」を生じさせたと考えるのが自然だ。つまり、ワークマンがここまでの大成功を収めることができたのは、「プロ向け作業着の品質を生かして激安なのに高機能でオシャレ」ではなく、もっと別の要因があるのだ。

 では、それは何か。筆者は「マーケティング」ではないかと思っている。

 ご存じの方も多いかもしれないが、ワークマンはいわゆる「インフルエンサーマーケティング」に力を入れている。16年9月、初めて「ブロガー向け商品説明会」を開催。「ブログで商品を紹介することが参加条件で、ブログは開設から半年以上経過し定期的に更新されている必要がある」(日本経済新聞北関東版 2016年8月19日)という条件を満たした100名ほどのブロガーを招待した。

 18年からはブロガーという呼び方はやめて、「インフルエンサーの皆様」に対して、秋冬新商品発表会を説明している。

「フィードバック」がしっかりと機能

 このようなイベントはファッションブランドでは「常識」だが、作業着メーカーからすればかなり「異例」であることは言うまでもない。一般消費者向けを拡大したいという思いはあるが、やはりメインターゲットは、現場で働く「プロ」だ。彼らはユーチューバーやインスタグラマーが紹介したからという理由で商品を選ぶわけではなく、実際に店頭で手に持って、強度を確かめ、試着して動きを見るというのが一般的なのだ。

 だが、そんな「異例」なことをワークマンはしれっとやってのけている。なぜかというと、組織外の人々から大きな「気付き」を与えられたからだ。

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