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シャープ、優先株消却へ 主要2行から買い取り、再建めど

 シャープは11日、2015年の経営危機の際に発行した優先株について、主要取引銀行2行が保有する約1000億円分全てを21日に手元資金で買い取ると発表した。優先株は議決権がない代わりに配当が高く、経営の重荷となっていた。優先株を消却して「負の遺産」を一掃し、経営再建にめどを付ける。

 戴正呉社長は東京都内で開いた事業方針説明会で、「(経営手腕に関する)自己採点は難しいが、就任から3年で消却を達成できてうれしい」と語った。

 シャープは主力の液晶パネル事業の不振で15年3月期に巨額の最終赤字を計上。その後、借入金と交換する形でみずほ銀行と三菱UFJ銀行に計2000億円の優先株を発行した。今年1月の取得に続いて今回約970億円分を買い取ることで、両行の優先株は無くなる。

 シャープは今後、超高精細の「8K」映像や第5世代(5G)移動通信システムなどの技術を生かして工場の自動化や遠隔医療、ゲーム用液晶の開発などに注力する。海外勢との競争が激化する中、液晶パネルなど電子部品を除く製品のうち、企業や官公庁向けの売上比率を現在の約35%から50%まで引き上げる方針だ。

 戴氏は親会社の鴻海(ホンハイ)精密工業の新役員に名が上がっているが、11日の説明会で非常勤になると明かし、今後もシャープの経営に専念すると強調した。会長は21年度まで続け、この間に次期社長を社内外から選ぶとしている。

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