金融

「外貨建て保険」苦情2543件 前年度比34%増、不十分なリスク開示が要因 (2/3ページ)

 「商品を分かりやすく説明することはもちろん、運用商品としてのリスク、リターンなど重要事項の情報提供を充実させてほしい」

 金融庁幹部は昨年11月、生保協が入るビルの会議室で、居並ぶ生保各社幹部に販売手法の改善を迫った。金融庁はこの2カ月前にも営業用資料の改善を求めており、腰が重い生保の背中を押した格好だ。

 だが、生保側は「販売しているのは銀行だ。苦情は一義的に銀行が対応すべきだ」と主張する。これに対し、銀行側は「商品開発は生保が行っており銀行は代理店の立場だ。対応には限界がある」(いずれも関係者)と両者は平行線をたどる。

 高齢者が契約する際に親族の同席を求めるといった対策が本格化したのは今年に入ってからで、生保業界では実態に即した利回りや為替変動リスクを資料に明示するなどのガイドラインを月内に作成する予定だ。

 金融業界に詳しい帝京大経済学部の宿輪純一教授は「元凶は長引く低金利だ。手数料が高い外貨建て保険はどうしても売りたくなる」と業界を擁護する。生保は主力商品だった円建て商品が売りにくくなり、銀行は本業の貸出業務で利ざやを稼げない。外貨建て保険の販売は生保、銀行ともに次の稼ぎ口を探した結果だ。

 とはいえ、金融機関の営業姿勢を当局が問題視する構図は目新しい話ではない。過剰融資が問題となった銀行カードローンは各行がCMを自粛し、全国銀行協会は3月末から貸付自粛制度を導入した。保険料を経費に算入して企業の法人税を圧縮できる経営者向け保険は、国税庁が「節税保険」とみなして税制優遇措置を見直す方針を示した。

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