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人工のクモの糸でTシャツ ゴールドウインが世界初の市場投入

 ゴールドウインは20日、国内で展開するアウトドアブランド「ザ・ノース・フェース」から、構造タンパク質素材を使ったTシャツを販売すると発表した。人工の「クモの糸」の量産に成功した山形県鶴岡市のベンチャー企業、Spiber(スパイバー)と共同開発した。構造タンパク質素材を使った商品が市場投入されるのは世界初という。新素材として、自動車や航空宇宙産業への用途開発も進んでいる。

 Tシャツは、綿が約8割、人工タンパク質繊維が約2割の混合素材を使用。比率は、地球上の植物と微生物の重量の比率に基づいた。石油や動物由来の素材を使わずに、タンパク質の構造を操作することで、高級カシミヤを上回る質感や機能を実現したという。

 250着の予約限定販売で、7月20日まで特設サイトで注文を受け付け抽選する。商品引き渡しは8月下旬。色は黒のみで、価格は税別2万5000円。

 両社は2015年、人工の「クモの糸」を使ったパーカーの試作品と、16年の販売を発表した。だが、糸が水を吸うと縮むなどの問題が発覚。糖をタンパク質に分解する微生物の遺伝子研究などを進め、4年がかりで商品化にこぎ着けた。表面素材に100%構造タンパク質素材を使ったパーカーも年内に発売する予定。

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