メーカー

ロッテ長男側が和解案提示 お家騒動 取締役復帰は否決

 創業家内の対立が続く菓子大手ロッテホールディングス(HD、東京)で、創業者の長男、重光宏之前副会長が、弟で経営権を握る昭夫副会長に対し、日韓の経営分離などを柱とする和解案を提示していたことが26日、分かった。非上場のロッテHDはこの日東京都内で株主総会を開き、宏之氏は和解案の一環として自身の取締役選任を求める株主提案を行ったが、否決された。経営をめぐる混乱は続き、ロッテHDの安定化は遠い状況だ。

 関係者によると、和解案は2018年に伝えられ、回答期限は19年6月末に設定されているという。資本関係を整理することで日韓のグループ企業の支配権が複雑に絡み合う状態を解消し、日韓の事業を切り分ける。将来的に宏之氏が日本事業を統括し、昭夫氏が韓国事業を率いることを目指している。

 ただ、グループ全体を掌握している昭夫氏側にメリットはなく、和解案に応じる気配はない。株主総会でも宏之氏側の提案は否決され、会社側の全議案が承認された。宏之氏側は否決を受けて公開した書面で、韓国事業で巨額の特別損失が発生していると指摘し「ロッテグループを取り巻く環境は悪化しており、経営を正常化させる必要がある。和解案に返答がなければ、取り得るその他の対応を継続していく」とした。

 ロッテHDは創業者の重光武雄氏を頂点に宏之氏が日本事業を、昭夫氏が韓国事業を補佐してきたが、15年に宏之氏と昭夫氏の対立が表面化。昭夫氏が宏之氏を経営陣から排除した後も、経営陣の解任要求など株主総会のたびに兄弟で役員選任を巡る争いを繰り返している。

Recommend

Ranking

アクセスランキング

Biz Plus