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新国立競技場 ロンドンスタジアムの多目的展開を模範に (2/2ページ)

 知恵の絞りどころ

 新国立競技場は今年11月完成予定、収容人員6万8000人。オリンピック終了後は陸上用トラックを撤去、客席を増設して8万人収容の球技専用スタジアムに改修される。17年、運営権の民間譲渡とともに閣議決定された。ところが最近、方針を変更、トラックを残し多目的化を図る案が浮上している。

 トラック撤去、改修工事には多額の費用が発生。また、期待していたJリーグ公式戦開催は観客動員で不安視され、サッカーの使用は限定的だとされる。日本スポーツ振興センター(JSC)の試算では年間の維持・管理費は約25億円。これに固定資産税や都市計画税、人件費などを加味すれば40億円ほどの年間経費が必要だ。いかに捻出するのか、レガシーとしての新国立競技場の課題である。

 だからこそ、コンサートなどの開催では天然芝を痛めないようトラックを残しておきたい。そして陸上競技大会開催。短距離のサニブラウン・ハキーム選手らの活躍で注目度が高い。大規模な国際大会はサブトラックが不可欠だが、小規模大会ならば可能。いやオリンピック後に移転、建設される秩父宮ラグビー場地下にサブトラックを造る案を積極的に進めてはどうか。

 ポスト2020へ、いまが知恵の絞りどころである。

【プロフィル】佐野慎輔

 さの・しんすけ 1954年生まれ。富山県高岡市出身。早大卒。産経新聞運動部長やシドニー支局長、サンケイスポーツ代表、産経新聞特別記者兼論説委員などを経て2019年4月に退社。笹川スポーツ財団理事・上席特別研究員、日本オリンピックアカデミー理事、早大非常勤講師などを務める。著書に『嘉納治五郎』『金栗四三』『中村裕』『田端政治』『オリンピック略史』など多数。

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