対韓規制1週間

日本企業混乱 申請準備追いつかず、生産計画に揺らぎも

 政府が韓国に対する半導体材料などとしてつかわれる3品目の輸出管理強化を発動してから11日で1週間が経過した。対象となったフッ化水素やフッ化ポリイミド、レジストを生産する日本企業の間で混乱が続いている。管理強化発動で個別出荷ごとに政府に申請する必要が生じたためだ。

 半導体の洗浄に用いられるフッ化水素を韓国に輸出するステラケミファは11日、政府への輸出申請を一部で始めたと明かした。ただし先行きについては「国の審査期間がどの程度に及ぶかにもよるため見通せない」と説明。同じくフッ化水素メーカーの森田化学工業は「申請書類の量が膨大で作業が追いついておらず準備中」としている。

 一方、一部では生産計画が揺らぐおそれもくすぶっている。

 東京応化工業によると、管理強化対象となっている感光剤のレジストは半導体の最先端の製造工程に用いられる高機能品。韓国メーカーはこうしたレジストを使った製品の量産を視野に入れており、東京応化もそれにあわせた韓国での生産能力増強を想定している。

 現段階の輸出管理強化の影響は大きくないとみられているが、韓国での量産が先送りされた場合、東京応化の計画にも影響が及びかねない。さらに韓国政府が改善案を示さなければ、対象の量産品への拡大や輸出の不認可の可能性も残る。

 3品目はいずれも半導体や有機ELパネルの製造に欠かせず、日本メーカーが7~9割の世界シェアを握るとされる。フッ化水素は半導体の洗浄などに、レジストは半導体の基板表面に回路を刻む際に塗る感光剤として使われる。

 各社には日本以外の製造拠点から韓国に輸出する方法も残されている。ただ、ステラケミファはシンガポールの製造拠点について、「日本の拠点と比べて9分の1程度の製造能力しかないため、現在の輸出量をまかなえるレベルにはない」とし、あくまで日本からの輸出を模索する考えだ。

 日韓経済は貿易や企業進出などで深く結びついている。韓国の輸出品の管理に端を発した企業活動の混乱は今後も波紋を広げるおそれがある。(井田通人、林佳代子)

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