金融

みずほFG、新システム完全移行で13日からの3連休はATM休止

 みずほフィナンシャルグループ(FG)は16日に傘下銀行の口座管理などを担う勘定系システムを次期型へ完全移行する。13日からの3連休にATM(現金自動預払機)やオンラインサービスを臨時休止し、最後となる9回目の移行作業を行う。同社は度重なるシステム障害により移行作業や経営効率化で他のメガバンクに水をあけられている。次期型の本格稼働で遅れた分の取り戻しを急ぐ。

 移行作業の期間は13日午前0時から16日午前8時まで。期間中はコンビニを含むATMからの現金引き出しやネットバンキングは利用できなくなる。

 今回の移行により、システムの安全性や安定性の向上に加え、新たな金融商品やサービスの提供に柔軟に対応できるようになる。またシステム関連の経費を約1割、新商品の開発コストを約3割削減できる。

 システムの移行は、旧みずほ銀行と旧みずほコーポレート銀行、みずほ信託銀行のシステムを統合するプロジェクト。口座などのデータ量が膨大なことなどを踏まえ、移行作業は昨年6月から9回に分けて段階的に進めてきた。

 作業に時間を要した背景には、第一勧業、富士、日本興業の旧3行が統合してみずほ銀行が誕生した平成14年と、東日本大震災直後の23年の大規模なシステム障害の発生がある。2度とも金融庁から業務改善命令を受け、経営トップを含む大量処分に発展した。

 こうした経緯を踏まえ、トラブルの再発防止に向けたシステムの開発や統合作業は慎重に進めざるをえず、当初は28年3月末を予定としていた次期型システムの完成時期も2度にわたり延期している。

 同様に経営統合で発足した三菱UFJ銀と三井住友銀はシステム統合をすでに終えており、両行は今年9月から店舗外に設置したATMの共同利用を開始する予定だ。みずほは次世代金融に向けた構造改革で大きく差をつけられており、収益面にも反映されている。この差を埋めるには、システム機能を最大限に発揮する経営力に加え、スピード感も求められる。

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