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報道カメラ市場、五輪勝者は キヤノンVSニコン ソニーも下克上狙う (1/2ページ)

 2020年東京五輪・パラリンピックの開幕まであと1年余り。各競技での代表争いは熱を帯びてきているが、五輪のたびに注目を集める報道カメラのシェア争いも徐々に盛り上がりをみせている。望遠レンズの外装の色から“白黒対決”とも呼ばれる二大メーカー、キヤノンとニコンの戦いに、今回は白黒の“シマウマ”カラーが基調の望遠レンズを投入するミラーレス一眼の雄ソニーが割って入ろうとしており、こちらの動向も目が離せない。

 全世界に宣伝効果

 夏冬の五輪は全世界にテレビ中継されるため、テレビに映るプロカメラマンの報道カメラの宣伝効果は非常に大きい。各メーカーもプロカメラマンに採用されるよう五輪に合わせフラッグシップモデルを投入し、決定的なシャッターチャンスを狙うプロカメラマンの高い要求に応えてきた。

 五輪のカメラマン席を二分するのが“白”のキヤノンと“黒”のニコンだ。

 “白黒対決”の歴史は古く、1964年の東京五輪でフィルム一眼レフ「ニコンF」がカメラマン席を席巻したニコンに対し、後発のキヤノンが80年代に入り頭角を現し、じわじわとニコンのシェアを侵食。両社のシェアは拮抗(きっこう)するまでに至ったが、決定的な変化が生じたのが2004年のデジタル一眼レフの使用が本格化したアテネ五輪だった。デジタル一眼レフ「EOS-1D MarkII」の導入でキヤノンがニコンを圧倒したのだ。その後、ニコンも盛り返してきてはいるものの、業界関係者によると、直近のシェアは6対4から7対3くらいでキヤノンがリードしているという。

 この熾烈(しれつ)な戦いに参入しようとしているのがソニーだ。ソニーはデジタル一眼のカメラ本体に反射鏡のないミラーレス機の中でも、大型画像センサーを搭載した「フルサイズ機」で大きく先行。高画質のフルサイズミラーレス一眼は、スマートフォンのカメラの普及で右肩下がりのデジタルカメラ市場でも数少ない成長株といわれている。大きな武器を売りに、来年の東京五輪・パラリンピックで存在感を示すことができれば、かつてキヤノンがデジタル一眼レフで実現した“下克上”も将来的に期待できる。

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