プロジェクト最前線

三井物産、モザンビークのLNG開発 途上国でビジネス創出、「国づくり」に貢献 (1/3ページ)

 三井物産は、アフリカのモザンビーク東部沖の大型液化天然ガス(LNG)開発事業に投資する。米石油大手やモザンビーク、インド、タイの国営資源会社などと共同で2024年から順次生産を始め、年産1200万トンの産出を目指す。三井物産は最大約25億ドル(約2700億円)を投融資する。探鉱開始から10年余り。世界的な資源安や現地政府の隠れ債務問題など難題が降りかかる中、長期の視点に立った「国づくり」への思いを原動力に投資決定にこぎつけた。

 このプロジェクトの強みは、豊富な埋蔵量と、欧州、アジアの双方に供給できる地理的な利点だ。アジアを中心にLNG需要は急増しており、同社は早くも数年後の拡張を視野に入れる。先にタンカーが攻撃されたホルムズ海峡付近を航行しない安全面のメリットもあり、日本向けのLNG調達先の多様化にも貢献しそうだ。

 政府と交渉 特別法成立

 プロジェクトのきっかけは08年にさかのぼる。米石油大手アナダルコから石油探鉱の声がかかり、石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)と共同で始めた。ところが肝心の石油は見つからず、社内では落胆の声もあった。

 ところが、10年に巨大ガス田があるとわかった。可採埋蔵量は世界最大規模の75兆立方フィートで、昨年の日本LNG輸入量(約8200万トン)を18年間も生産できるほどの量だ。13年からプロジェクト業に関わってきた野崎元靖・執行役員エネルギー第二本部長は「最大の難関は、政府との法律交渉だった」と振り返る。

 LNG開発は、投資を決めてから実際にガスを生産・販売し、投資回収まで長い期間がかかる。それだけに、政権交代による契約内容変更や新たな資源輸出税などのリスクを事前に取り除く必要がある。

 プロジェクトを守る法律がなければ、協調融資の銀行団も納得しない。11年後半くらいから政府と交渉を始め、13年6月、相互に進出する企業の権利や資産を保護する政府間の投資協定が署名された。その後も地道に政府に説明を続け、LNG特別法が施行されたのは14年末のことだった。

 そんな中、14年1月に安倍晋三首相が日本の首相として初めてモザンビークを訪問。当時、最貧国でありながら毎年7%超の経済成長を続ける同国への関心は高かった。世界有数の埋蔵量を誇る天然ガス開発で外貨を稼ぎ、インフラ整備につなげる、という同国の経済政策も順風にみえた。

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