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1リットルの甘味はコスト減の産物、独特の品揃え「業務スーパー」強さのワケ (1/3ページ)

 格安スーパー「業務スーパー」が好調だ。店舗網はついに800店を超えた。圧倒的な安さと品ぞろえの豊富さが人気の理由だが、この2つをどう両立しているのか。店舗経営コンサルタントの佐藤昌司さんは「海外からの直輸入品や自社工場のフル活用で、徹底的なコストダウンを実現している」と分析する--。

 成熟したスーパーマーケット市場で成長

 先日、近くの「業務スーパー」で買い物をした。「ソバ」(1食・150g/税抜き19円)、「モヤシ」(1袋・200g/同19円)、「豆腐」(1丁・300g/同26円)、「トマトジュース」(1缶・185g/同39円)を購入したのだが、これだけ買っても消費税を加えてたったの111円だ。もちろん、これ以外の商品も安い。店内は多くの来店客でにぎわっていた。

 スーパーマーケット市場は成熟し、競争が激化している。イオンやイトーヨーカドーといった大手でさえ苦戦を強いられ、収益を上げることが難しくなっている。一方で、そういった環境下でも集客に成功し、大きく成長しているのが「業務スーパー」だ。

 業務スーパーの1号店は、2000年3月に兵庫県三木市で誕生した。以降、出店を重ねて店舗網を拡大。近年は年間30店程度のペースで増えており、店舗数は826店(19年4月末時点)にまで増えている。屋号からすると飲食店など事業者向けに特化した店舗かと思いきや、「一般のお客様大歓迎」をうたい、個人客が顧客の9割を占めている。

 運営会社の神戸物産の業績は好調に推移している。直近本決算の18年10月期連結決算は、売上高が前期比6.2%増の2671億円、本業の儲けを示す営業利益が7.6%増の157億円だった。売上高営業利益率は5.9%と、スーパーを営む企業の中ではかなり高い。売上高はこの9年で2倍となった。好調な業績を支えているのが業務スーパー事業で、売上高全体の9割を占める。

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