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きびきび軽い走り、内装は実用主義的…初夏の伊豆で新型「スープラ」を試す (3/3ページ)

 外観デザインは複雑な曲線で織りなされているが、レクサスを特徴づけるスピンドルグリルのような押しつけがましい自己主張はない。フロントとリアのランプの造形は歴代モデルの意匠を受け継いでおり、先鋭的な車ながら全体としてははっきりとトヨタ車だと判別することができる。

 内装は実用主義的

 多くのドライバーはスープラの内装から日本の自動車メーカー特有の実用主義を感じ取れることだろう。不要な装飾はなくスイッチ類の一部はプリウスに使われているのと同じ部品のようにも見える。8.8インチの液晶ディスプレーやエアコンなどの操作器類は望ましい位置にあるが、普通すぎてやや新鮮味に欠けるかもしれない。シートは快適性を重視している。

 スープラは熱狂的なファンが多いにもかかわらず2002年以降生産されていなかった。それだけに、新型を他社と共同開発することはトヨタにとって大きな賭けだった。

 今回のプロジェクトは困難の連続だった、と新型スープラのデザイン企画を担当した渡辺義人デザイン部主幹は話す。例えば、BMW製の直6エンジンは同社が採用するキドニーグリルで大量の空気を取り込むことを前提に設計されたものであり、トヨタの車でエンジンの冷却をどうするかということについても考えなければならなかったという。

 生粋のトヨタ信者やこだわりが強いスープラファンはこの車が欧州の工場で生産されることで拒絶反応を起こす可能性もあったが、今のところその心配はないようだ。トヨタは新型スープラの全世界での生産や販売台数の計画を開示していないが、欧州に割り当てられた900台に関しては既に事前予約の段階で完売したと発表している。

 初期段階で購入を決めたドライバーはスープラの歴史や出自を気にしていないようだ。われわれもこの車のクルマとしての出来の良さを素直に楽しめばいいのかもしれない。(ブルームバーグ Reed Stevenson)

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