トップは語る

エフピコ 食品容器首位、独自路線貫きシェア3割

 □エフピコ社長・佐藤守正さん(60)

 --簡易食品容器でトップの地位を築いている

 「国内で約100社が食品容器を手掛ける中、当社は3割近いシェアを持っている。設備投資も積極的に行っており、2017年10月には157億円をかけて使用済みペットボトルから食品容器を作る工場を茨城県八千代町に建設した」

 --強みは

 「当社は今や当たり前となっているカラートレーを初めて製品化し、電子レンジ用の耐熱容器を普及させてきた。1962年に広島県福山市で創業したときから(大都市に本社のある)他社と同じことをやっても勝てないとの思いがあった。今も他と同じことをやらない姿勢で年間2000以上の製品を開発し、食品容器の売り上げの約6割で独自素材を使っている。そうした姿勢は今後も貫く」

 --使用済み食品トレーの回収も手掛けている

 「30年近く前から取り組んでおり、スーパーマーケットに置かれた回収ボックスは約9200カ所に達している。回収したトレーを(食品容器の)原料に再利用しているメーカーは、当社以外にほとんどない。ただ、足元の回収率は3割程度。もっと高めたい」

 --海洋プラスチックごみ問題が注目されている

 「まず大事なのは、ごみを海に出さないことだ。それに日本では、一般廃棄物は非常にうまくリサイクルされている。産業廃棄物の方が、はるかに処理能力が足りていない。もっと本質的な議論が必要だ」

 --食品容器の需要は増え続けている

 「調理済みの総菜などを自宅で食べる『中食』の市場はもっと大きくなる。人口は減っても(単身者の増加で)世帯数は増え続けているからだ。高齢の単身者に食を供給するニーズがさらに高まり、食品容器の需要も増えるだろう」

【プロフィル】佐藤守正

 さとう・もりまさ 慶大工卒。1983年三井物産入社。99年エフピコ取締役、2000年専務、01年副社長などを経て、09年から現職。群馬県出身。

Recommend

Ranking

アクセスランキング

Biz Plus