金融

野村、営業体制を組み替え 富裕層向けに重点 収益改善目指す

 野村証券が8月から全国の店舗に7000人弱いる営業社員の体制を大幅に組み替えることが23日、分かった。担当を富裕層向けと一般投資家向けの2つに分けて国内営業部門をてこ入れし、収益改善を目指す。足元では社員の不祥事が逆風となっており、サービスの充実で顧客をつなぎ留める。

 現在は約6600人でほぼ全ての顧客を担当しているが、8月以降は企業オーナーと富裕層に接する約2800人と、準富裕層を中心とする一般投資家を受け持つ約3800人の2つに分け、営業社員の役割を明確にする。高齢の富裕層と退職者層を担当する約300人の専任者は現状を維持する。

 見直しは店舗の統廃合と合わせて実施する予定だ。現在156ある国内店舗を約2割削減する計画で、その第1弾として東京、神奈川、愛知、奈良、大阪、兵庫の6都府県にある25支店を8月から9月にかけて近隣店舗と統合して閉鎖する。

 平日の営業時間延長などで顧客の利便性に配慮する。企業オーナーが持つ採用や販路拡大といった悩みに対し、野村の企業ネットワークを活用して対応策を提示できるような新たな仕組みも整える。

 担当者は「経営者から直接悩みが聞ける立ち位置を生かしたい」と話す。

 野村証券は今年5月、東京証券取引所の株式市場再編に関する情報を外部に漏らしたとして金融庁から業務改善命令を受けた。退職した元社員による投資詐欺疑惑が浮上するなど内部管理体制への批判が相次いでおり、顧客の信頼回復が急務となっている。

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