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国道災害時 AIで早期発見 富士通の新監視システムを月内導入

 富士通が台風や大雪などの災害時に人工知能(AI)を使って国道を監視し、車の立ち往生や、渋滞を発見する新システムを開発したことが24日、分かった。被害発生を早期に把握し、迅速な初動対応につなげる。7月中に国土交通省の一部の国道事務所で導入し、その後全国での活用を目指す。

 現在国交省は全国2万台のカメラで国道の状況を監視している。国道事務所1カ所当たり数百台のカメラの映像を見る必要があるが、職員の目視では災害の早期発見には限界があった。

 新システムは、AIが車両の停止や渋滞を発見しアラームなどで通知するほか、自動で画像を抜き出して保存し、発生要因を検証できる機能も備える。

 福井県の国道8号では、昨年2月の大雪の影響で最大約1500台の車が立ち往生し、解消するまで60時間以上かかった。夏場にも全国的に台風や大雨で車が孤立する事案が多発している。国交省は対策として昨年12月から富士通が開発したAIを使った監視システムの試験を実施、7月中の本格導入が決まった。

 富士通は2019年度中に、車両による低速での走行や、逆走、落下物を避ける動きといった異変を検知し、被害の拡大防止に役立つ機能も追加する予定だ。

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