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カーシェアに高級外車続々 ベンツやアルファロメオも

 カーシェアリングサービスに輸入車の品ぞろえが増えている。海外メーカーには、高級イメージから敬遠していた層にも気軽な乗車の機会を提供し、ブランドイメージを身近にすることで購入増につなげる狙いがあるようだ。

 「初めてアルファロメオに乗ることができた」。車好きな東京都内の男性会社員(34)は7月中旬の休日、三井不動産リアルティ(東京都千代田区)が運営する「カレコ・カーシェアリングクラブ」を利用。同クラブの都内のステーションでアルファロメオブランドのスポーツ用多目的車(SUV)「ステルヴィオ」を、横浜への往復に借りた。正規購入すれば600万円以上の車が、10分につき240円で乗れる。まとまった時間のパック料金ならさらに手頃だ。

 男性はこれまで約10車種の輸入車をカーシェアで借りた。「購入では乗れなかった車にレンタカーより手頃な料金で乗れて、添乗員同乗の試乗よりも1人なら落ち着いて乗り心地を楽しめる」と利点を語る。

 こうしたニーズに、メルセデス・ベンツ日本は昨年12月、発売して間もない「Aクラス」をカレコに無償提供した。音声認識操作や駐車支援などの先端機能を装備するが販売価格は300万円台。月1万円台での購入プランも導入した中、「カーシェアでまず興味を持ってもらい、手が届くことを知らせて購入にもつなげたい」との思惑だ。

 カレコには今年4月にボルボやアルファロメオ、ジャガー、ランドローバー、7月にはジープと、海外ブランドが続々と新たな車を投入。BMWとミニも3月にNTTドコモの「dカーシェア」でサービスを始めた。

 日本自動車輸入組合(JAIA)によると、国内新車販売(軽自動車を除く)に占める輸入車シェアは平成21年は5・5%だったが、30年は9・2%と過去最高を記録。JAIAは「カーシェアで身近になったことで購入につながるケースもあるのでは」とみる。三井不動産リアルティは「輸入車を自由に試乗したい、特別な車で出かけたいといった要望に応えられている」とメリットを挙げており、輸入車のシェアリングは今後も増えそうだ。

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