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質より量、外食救う“多収米” コスト面で注目、大規模農家中心に浸透 (1/2ページ)

 コシヒカリやあきたこまちといったブランド米より収穫量が多く値ごろ感のある「多収米」の生産が広がり始めている。コメ価格が高止まりし、外食チェーンや弁当、おにぎりなどの中食で値上げの動きが相次ぐ中、コスト面から“救世主”として注目度が上昇。大規模農家を中心にじわじわと浸透が進み、各地の農協も本腰を入れ始めた。

 お値打ち感に商機

 濃尾平野の西端に位置する岐阜県養老町。水田に黄色い看板が立つ。「カレーハウスCoCo壱番屋」のロゴマークだ。

 「身近な店で使われることで収入の見通しが立ち、農家もやる気が出る。店も安いコメを探し回る必要がなく、互いの利益になる」。JAにしみの(岐阜県大垣市)の伊藤孝宏販売課長は強調する。管内の農家とCoCo壱番屋の運営会社に販売する多収品種の「ほしじるし」を栽培。豊作に向け作業に余念がない。

 背景には、原材料高や人件費上昇で外食産業の収益が厳しいことがある。CoCo壱番屋でも3月に主力商品を値上げした。同JAと取り組みを始めて2年目だが、一定の手応えを感じており、約20ヘクタール分だった取引量を今年はさらに拡大する。

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