高論卓説

失望と絶望の間で壊れゆく香港 親中派がデモ隊に暴力、深まる亀裂 (1/3ページ)

 香港が壊れようとしている。容疑者の中国移送を可能とする逃亡犯条例の改正をめぐって、この2カ月、香港で繰り返される抗議デモの展開を見ていると、そんな嫌な感覚が日々強まっている。

 私は20日に香港を訪れた。この日に親中派が大規模集会を、翌21日に民主派がデモをそれぞれ予定し、どこまで親中派が巻き返せるか、あるいは民主派が勢いを示せるかが問われる一つの山場になるかもしれなかったからだ。

 だが、今の香港はいつも我々の想像の上をいく。21日、今回の運動のイメージカラーである黒のシャツを着た40万人が参加したデモの本隊から、数百人の若者が離脱し、デモの終結地を越えて西環に向かった。

 西環には「中聯弁」がある。正式名称は中央政府駐香港連絡弁公室といい、中央政府の意向を伝達する出先機関である。返還後、次第に香港政界への影響力を強め、「西環治港(中聯弁による香港統治)」という流行語も生まれた。

 若者たちは、中聯弁に卵を投げつけ、落書きし、ペンキを中国の国章にかけた。中国の誇りを汚すような行為に出たのだ。中国政府の反応も素早かった。翌日の人民日報は「一国二制度原則のボトムラインに抵触した」「絶対に許すことができない」「中央への挑戦は許さない」という厳しい言葉でデモ隊を非難した。この行動を受け、「統治不能」を理由に香港に駐留する6000人の人民解放軍による治安維持介入のシナリオを、中国は本気で練り始めただろう。

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