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アスクル、株主総会 岩田社長の退任決定「経営陣は結果のみ」 個人株主からは厳しい意見も

 ヤフーが子会社のオフィス用品大手、アスクルの岩田彰一郎社長に退任を求めている問題で、アスクルは2日、定時株主総会を開き、岩田氏と3人の社外取締役の選任を否決した。ヤフーなどが再任反対の議決権を行使していた。ヤフーから、代替の人事案などの提案はなく、岩田氏ら4人を除く6人の役員で取締役会を開き、新社長を決める。

 株主総会の終了後、岩田氏は「大変遺憾に思う。しかし、総会の決議は重く厳粛に受け止め、経営から退く」述べた。総会では、ヤフーとの対立による混乱を陳謝し、「このような事態でもアスクルはお客さまのために進化するという理念を貫く」と述べた。

 ある株主からは「これまでの取引先との信頼関係に影響がある」の声が上がった一方で、別の株主から「経営陣は結果のみ。現状では事業達成は難しい」と厳しい意見もあった。ヤフーから出向している小沢隆生社外取締役は「ヤフーの立場としては、株主価値の向上に最大限期待している。株価の低迷に対してまずは業績回復が重要」と述べた。

 ヤフーは議決権ベースで株式の45%超を保有。11%超を持つアスクルの出身母体のプラス(東京)もヤフーに同調した。

 取締役再任についての議案の採決では、岩田氏の採決場面で出席した株主から賛意を示す拍手が起こったが、ヤフーから派遣されている取締役の採決場面では、まばらだった。

 ヤフーはアスクル出身者がトップとして適切と表明しており、アスクル出身者が社長に就任する見通し。

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