高論卓説

日本郵政グループ経営は至難の業 国鉄民営化に倣い地域分割検討を (1/2ページ)

 日本郵政グループが揺れている。かんぽ生命保険では新旧契約の重複加入による保険金の二重徴収や顧客を一時的に無保険の状態に置くなど過去5年間で18万3000件の契約で顧客に不利益を与えた可能性が発覚。7月31日には、日本郵政、日本郵便、かんぽ生命のトップがそろって記者会見し謝罪、当面の間は積極的な営業を自粛すると発表した。(森岡英樹)

 かんぽ生命は約3000万件に上る全ての契約者に手紙を出し、契約内容が意向に沿っているか確認する。その上で意向に沿っていない契約については、契約の取り消しや保険金の返還に応じるという。日本郵政グループは外部弁護士による特別調査委員会を設置し、年内に報告書を出すとしている。

 また、ゆうちょ銀行でも勧誘時に健康確認を怠るなど、不適切な手続きで高齢者などに投資信託を販売していたことが明らかになった。不適正な販売は約230ある直営店のうち実に約9割の店で行われており、社内ルールに抵触したケースは1万5000件以上に及んでいる。

 一連の不適切な販売の背景には過剰なノルマと営業を奨励する手当があることは明らかで、日本郵便の横山邦男社長は、超低金利など販売環境が変化しているにもかかわらず「営業推進体制が旧態依然のままだった」と謝罪した。

 日本郵政グループではこれらノルマや手当を廃止する意向である。しかし、より根本的な問題は、なぜそうした過剰なノルマと手当が長く温存されてきたかという点であろう。そこには、郵政省から日本郵政公社そして日本郵政へと政治に翻弄され、強引かつ方針が二転三転するいびつな民営化が推し進められた歴史的な経緯がある。

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