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トヨタ、取引先へ人材紹介 期間従業員を正社員で

 トヨタ自動車が約3年の契約を終える期間従業員を取引先に正社員候補として紹介する制度を導入したことが分かった。景気が堅調に推移する中、少子高齢化を背景に製造現場の人手不足は深刻化しており、トヨタはグループを挙げて人材確保に対応する。期間従業員の就労安定にもつながりそうだ。

 新たな制度は今春に設けた。期間従業員は希望の勤務地や職種などを伝える一方、受け入れ企業は、資格も含めてどういった人材を求めているかを登録。人材仲介事業を手掛けるトヨタ子会社が双方をマッチングする仕組みだ。グループの部品大手デンソーも取り入れた。

 期間従業員は直近で、トヨタが約2800人、デンソーが約6000人を抱える。受け入れ企業にとって、トヨタなどで培った経験や技術を持つ人材を確保することで競争力の強化も期待できる。

 期間従業員は全国から集まり、トヨタとデンソーは、それぞれ正社員への登用の道も開いている。契約終了後に出身地での勤務を望む従業員の場合、新制度では地元周辺に拠点がある会社を紹介するなど本人の希望に配慮する。

 トヨタでは既に期間従業員の登録が始まり、受け入れ企業からの求人もきている。今後はデンソー以外のグループの部品大手などにも取り組みを広げたい考えだ。

 トヨタはこうした紹介制度を過去に採用していたが、2008年のリーマン・ショックで世界経済が急速に悪化。全社的に雇用の維持が難しくなり、制度を休止していた。

【用語解説】期間従業員

 企業が就労期間を限定して直接雇用する従業員。完成車メーカーや部品メーカーなど自動車業界に多く、生産ラインでの作業などに従事する。トヨタ自動車の場合、雇用期間は初回の契約が3カ月で、更新を重ねれば最長で2年11カ月となる。トヨタには正社員への登用制度があり、2014~18年度の5年間で計約1500人を正社員として採用している。

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