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鉄道・バス・タクシーを一括予約 「MaaS」実現へ…最強アプリの実力度 (1/3ページ)

 鉄道、バス、タクシーなどさまざまな交通手段を一体的に提供する「MaaS(マース)」の実現に向けた動きが、関西で加速している。国土交通省が発表した全国19の「先行モデル事業」には、関西地域から6事業が選定された。観光活性化や新たな交通インフラ整備、さらには移動データの分析による新ビジネスの創出へ関係者の取り組みは熱を帯びる。(黒川信雄)

 観光てこ入れに期待

 三重県志摩市の近畿日本鉄道鵜方(うがた)駅で下車。目的地はリアス式海岸で知られる景勝地、英虞(あご)湾だ。湾内を見晴らせる横山展望台を目指すが、路線バスはない。タクシーを呼び出し、展望台に到着。次の目的地は大王埼灯台。再び鵜方駅まで戻り、今度は路線バスに乗り換え…。その都度異なる交通手段を探し、運賃を支払う。

 「周遊には交通手段が分かりにくく面倒との意見ももらいます」。同市観光商工課の鈴木隆課長は話す。三重県の伊勢志摩地域。観光スポットが点在し、地域内の交通手段は複雑だ。

 近年、同市の観光客数は頭打ち気味。宿泊者に占める外国人客はわずか3%強だ。「近隣からのマイカー客が中心になり、滞在日数も短い。交通機関の分かりにくさも影響している」。

 それらの課題を解決しようと、同市や近鉄グループホールディングス(HD)などは来年1月、MaaSの実証実験を始める。スマートフォンのアプリで関西、名古屋方面から伊勢志摩に向かう近鉄の特急電車、駅から主要観光地へのオンデマンドバス、さらに英虞湾内の海上タクシーまで一括して予約、決済できる。現地では予約した交通機関でスマホを提示するだけでいい。

 「東京からの観光客が伊勢志摩に関心を持っても、切符の購入からして一苦労だった。アプリがあれば海外からも購入できる」

 近鉄グループHDの江藤健一総合企画部長は期待を込める。

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