経済インサイド

KDDI、スタートアップ支援で5G競争勝ち残り (2/2ページ)

 KDDIがスタートアップとの連携を強化する背景には、5Gの本格的なスタートによって、「あらゆるモノが通信に溶け込み、顧客との関係が再構築される」(高橋氏)とみていることがある。ビジネスモデルが大きく変わりゆく中、スタートアップの発想力や技術力を取り込んで成長につなげる戦略を加速する。

 5Gが普及すると、IoTで集積したデータをAIで分析して、顧客へ新たな価値を提案しやすくなる。これまでの商品の売り切りやサブスクリプション(定額制)モデルから、販売後も継続してサービスを提供して利益を得る「循環型モデル」をいかに生み出せるかが、成長を左右することになる。

 通信業界は、毎月通信料をもらって顧客の要望にあったサービスを提供するなどの循環型モデルを展開してきた。KDDIはこれらのノウハウを外部企業に提供し、新たなサービスの創出を後押ししようとしている。

 こうした企業支援が、自社の通信やIoT基盤を新サービスに生かすプラットフォームサービスや、スタートアップとの有望事業の共同開発に発展する可能性もある。高橋氏は「5Gは通信で収益を上げるのではなく、その上にビジネスを創造して収益を上げる」と構想を説明する。

 KDDIは今年度から3カ年の中期経営計画を発表し、法人向け事業の売上高を令和4(2022)年3月期に平成31年3月期比13%増の1兆円にする目標を打ち出した。

 個人向けの通信事業は携帯電話の値下げ圧力が強いうえ、今秋の楽天の新規参入で競争が激化が予想される。個人向け通信に依存した経営体制からの脱却が課題だ。スタートアップへの支援などを通じ、IoTビジネスといった新たな成長領域の収益をいかに拡大できるかが、持続的な成長の鍵を握っている。(万福博之)

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