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郵便事業縮小 苦渋の了承 総務省、綱渡り経営に理解 (1/2ページ)

 総務省の有識者委員会が、郵便物の土曜配達と差し出し日の翌日配達をいずれも廃止することを了承した。日本郵便は人手不足による人件費高騰が深刻で、綱渡りの厳しい経営が続く。利用者にとってサービスの質低下は避けられないが、全国津々浦々の郵便インフラを維持するには日本郵便が求める事業縮小案を容認せざるを得なかった。

 「ユニバーサルサービス(全国一律)の義務がある中で水準をできる限り落とさず、長期的に国民負担を少なくする観点からまとめた」。会議の取りまとめ役を務めた東京経済大の米山高生教授は6日の記者会見で見直し案に理解を求めた。

 日本郵便は昨年からの議論を通じ「人手不足の中で働き方改革も求められる綱渡りの状況だ。サービスの安定的な提供は難しくなる」(諫山親執行役員副社長)と苦境を訴えてきた。総務省は土曜配達を廃止した諸外国の先例を有識者に詳しく説明するなど、当初から後ろ盾となった。

 ある有識者はサービス水準の切り下げを一度しか使えない「伝家の宝刀」だと指摘。抜本的な経営改善につなげるよう慎重な検討を求めた。業界団体への聞き取りで明確に反対意見を述べたのは、新聞3万部を過疎地などへ届けている新聞社が加盟する日本新聞協会だけだった。

 サービス見直しの影響は全国の利用者に及ぶ。現在は普通扱いの郵便物の8割が翌日に配達されるが、変更後は基本的に翌々日と1日遅くなる。木曜に投函された郵便物は、土曜廃止も重なって配達が翌週の月曜までずれ込むことになる。

 顧客に書類を郵送する企業は翌日到着を前提としているところが多く、投函日を前倒しする必要に迫られる。例えばクレジットカード会社の滞納通知が遅れ、顧客からの苦情が増える懸念も出てきそうだ。

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