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新「007」に黒人女性、人魚姫アリエルも…多様化加速する映画界 (1/2ページ)

 半世紀以上続く人気スパイ映画「007」シリーズの最新作(2020年公開予定)で、主人公ジェームズ・ボンドのコードネームだった「007」を黒人女優が引き継ぐことが明らかになり、映画ファン以外にも衝撃が広がっている。他にもディズニーアニメの実写版「リトル・マーメイド」で人魚姫のアリエル役に黒人女優が抜擢。時代の変化に合わせ、性別や人種の多様化を推し進める映画界の動きに賛否が出ている。(ニューヨーク 上塚真由)

 今月半ばの英紙デーリー・メール(電子版)の報道などによると、最新作で007を引き継ぐのは、英黒人女優のラシャーナ・リンチさん(31)。主人公のジェームズ・ボンドはこれまで通り男性俳優のダニエル・クレイグさん(51)が演じる。最新作はボンドが英秘密情報部(MI6)を引退し、ジャマイカで暮らしているところから物語が始まり、MI6幹部が「007、入れ」と言うと、リンチさんが登場する場面があるという。

 リンチさんはあくまでもコードネームを引き継いだ新キャラクターという設定だが、シリーズ25作目で白人男性以外が「007」を演じるのは初めて。映画の名物であるボンドと相手役の美女とのやりとりも、最新作ではボンドが誘惑しても相手にしないといい、同紙は関係者の話として「(セクハラ告発運動の)『#MeToo』(私も)時代をボンドも学ぶことになる」と伝えている。

 SNS(会員制交流サイト)などでは、「有色人種の女性がスパイ映画で主役級になる新しい時代が到来した」などと喜ぶ声が上がり、英国のピアース国連大使もツイッターで、多様性や男女平等の象徴と位置づけて「私たちが推し進めてきた価値観だ」と歓迎した。

 一方で、黒人女性の抜擢は、「ポリティカル・コレクトネス」(PC、政治的な正しさ)の行き過ぎだと指摘し、「PCのせいで人気映画の魅力は死んだ」などと反発する声も目立った。

 同様の論争は、来年から撮影が始まるディズニー作品「リトル・マーメイド」の実写版をめぐっても勃発している。

 今月3日、主人公アリエル役に黒人女優で歌手のハリー・ベイリーさん(19)の起用が発表されると、ツイッターなどで「#NotMyAriel」(私のアリエルではない)という抗議のハッシュタグが拡大。赤毛で白人というアニメのアリエルのイメージとはかけ離れているとして、映画をボイコットしようという呼びかけも起きた。

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