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ホルムズ海峡緊張 海運、エネ各社、航路変更や調達多様化も対策限界

 イラン沖のホルムズ海峡で日本のタンカーが攻撃されたことを受け、日本郵船など大手海運が同海峡内での航路を変更したり、石油元売り各社が中東産原油の依存度の引き下げなどを検討しているが、攻撃から約2カ月がたって、その対策に限界があることが浮き彫りになってきた。同海峡の狭い海域に世界中のタンカーが行き交うほか、原油輸入の8割超を同海峡経由に依存する特殊性が日本企業の対策を難しくしている。

 海運会社「国華産業」のタンカーが6月13日に砲弾を受けた後も、イラン側による英国籍タンカーの拿捕(だほ)など、ホルムズ海峡は緊張が高まっている。商船三井の丸山卓取締役は「航行中の船舶に、イランと英国の双方から積載物の照会などが頻繁に無線で入るようになった」と説明する。

 商船三井は通常ルートをそれ、イラン沿岸から離れたコースをとるよう指示。日本郵船は同海峡通過の際、タンカーの速度を最大にしている。ただ、ホルムズ海峡は大型船が通過できる深さのある幅数キロの海域に世界中のタンカーがひしめき合い、航路の変更などにも限界がある。

 一方、石油元売りのJXTGホールディングス(HD)の太内(おおうち)義明取締役は、「原油調達の多様化を検討している」と説明する。コスモエネルギーHDも、米国産原油などの調達を視野に入れている。

 しかし、日本で利用する原油の8割以上がホルムズ海峡を通過する中で、すべてを代替することは困難だ。米国産にしても「自国内消費が多く、供給余力は小さい」(コスモエネルギーHDの植松孝之取締役)。日本までの輸送距離や開発コストを考慮すれば、中東産原油の依存度を下げるにも限度がある。

 日本政府はホルムズ海峡を巡る米主導の有志連合構想への対応は、慎重に検討する考えだ。企業側も「有志連合構想に協力すべきだ」(大手海運幹部)との意見がある一方、「良好なイランとの関係が悪化する」(商社首脳)との慎重論もある。打開策を見いだせない中、日本企業の間には手詰まり感も漂う。

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