金融

RPA、主要行に急速普及 自動化で余力 試されるメガ銀行員 (1/2ページ)

 みずほフィナンシャルグループが1万9000人の人員削減、三井住友フィナンシャルグループは5000人弱相当の業務量削減。目を引くメガバンクの合理化計画に一役買っているのが、事務作業をソフトウエアに覚えさせて自動化する「ロボティック・プロセス・オートメーション(RPA)」技術だ。業務効率化を加速させる一方、銀行員にとっては個人の能力がより試される時代に入ることになる。

 朝の1時間を節約

 三井住友銀行の支店では、個人営業担当者が出勤してパソコンを立ち上げると、その日に訪問予定の顧客人数分の運用リポートが電子メールで届いている。前日帰宅前に顧客名をスケジュール管理ソフトに打ち込んでおくだけで、RPAのロボットが吸い上げ、預金口座、ポートフォリオ、保有商品の時価や為替レートなどの情報を顧客ごとにまとめてくれる。

 メールを受け取る行員は3000人以上。これまで各自がそれぞれの顧客向けにリポートを作成していた朝の30分から1時間が節約でき、より深みのある商品説明をしたり訪問先を増やしたりできるという。

 三井住友銀の完全子会社でRPAの導入支援を手掛けるSMBCバリュークリエーションの山本慶社長は、度重なるコスト削減指令に疲れた行員たちにとって単純作業を削減することが「前向きに働きたいという意欲につながる」と説明する。

 支店への導入はあくまで一例だ。三井住友FGはグループ全体にRPAの導入を順次拡大しており、その効果もあって2019年度までの3年間で5000人弱分の業務量の削減を見込む。山本氏は「余力の創出であって単なるコスト削減ではない」という。そんな業務改革を二人三脚で支援してきたのが、RPAソフト開発の米ユーアイパスだ。

 「三井住友FGの業務改革は、大規模に安定稼働できるというユーアイパスの高い技術があったからこそ実現した」と山本氏。現在、1000台以上の疑似ロボットがコンピューター上で動いているという。調査会社IDCは、世界のRPAソフト市場が19年の15億7750万ドル(約1680億円、予測値)から、22年には2倍以上の37億1540万ドルに拡大すると予測。競合としてNTTデータや英ブループリズムなどがある。

 ユーアイパス日本法人の長谷川康一最高経営責任者(CEO)は、金融機関は特に自動化のニーズが高い業種だと考える。作業の正確性と高度なセキュリティーが求められるため、これまで簡略化が難しかった。低金利下での成長戦略が求められる中「時間的、精神的に多大な負担をかける手作業からまず社員を解放する必要がある」と力説する。

Recommend

Ranking

アクセスランキング

Biz Plus