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研究断念、ベンチャーに継承 製薬大手に広まる「カーブアウト」 (2/2ページ)

 独特の産業構造

 重点領域ではない事業を切り離してベンチャーに移管する経営手法は「カーブアウト」と呼ばれ、国内の製薬企業で広まっている。

 今年、アイルランドの製薬大手シャイアーを6兆円超で買収して世界のメガファーマ(巨大製薬企業)に名を連ねた武田薬品工業は、事業の選択と集中を進める一環としてカーブアウトを積極活用している。

 糖尿病や高血圧症などの新薬候補の研究開発を切り出した「スコヒアファーマ」をはじめ、がん創薬ベンチャー、薬効薬理や安全性評価を行う部門を切り離した企業などを次々と生み出してきた。

 製薬業界でカーブアウトが広まる背景には、独特の産業構造がある。一般的に新薬の研究開発から発売までには10年から15年、費用は1000億円近くかかるとされ、同時に進められる計画には限りがあるからだ。

 「チャンスに懸けた」

 大日本住友で初のカーブアウトとして技術を移転されたアルファナビファーマの小山田氏は、「製薬企業に勤めていても、自分がメインで携わった薬が実用化される研究者は1000人に1人ぐらいの割合ではないか。だからこそ、独立して薬を世に出すチャンスに懸けた」と話す。

 大日本住友の馬場博之執行役員は、「貴重な新薬候補を無駄にしないよう、今後も事業の切り出しを含め、さまざまな選択肢を模索したい」と話す。

 カーブアウトした事業が成功すれば、反対に製薬企業が買い戻す例もある。

 塩野義製薬は今年6月、同社から平成27年に事業分離したベンチャー「ピオニエ」を買収したと発表した。ピオニエが外部資金を活用して新薬候補の研究を続けた結果、薬効や安全性を確認できたためで、開発は塩野義が引き継ぐ。

 ピオニエ設立を支援した大阪商工会議所では「ベンチャーとして事業分離することで、外部の資金や人材を活用して研究開発を加速できた。今後もカーブアウトによる創薬事業化を支援したい」としている。

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