経済インサイド

クルーズ旅行にハマる日本人 働き方改革も追い風に (2/2ページ)

 日本人のクルーズ人口はじわりと増えている。国土交通省によれば、昨年の日本人のクルーズ人口は、前年比1・8%増の32万1000人と過去最高となったが、さらに拡大が見込まれている。

 理由の一つは、クルーズで世界をリードしている欧米の客船大手が、クルーズ船の日本寄港を増やしていることだ。

 クルーズといえば、欧州や米国まで航空機で現地に向かい、そこから乗船し、一定期間のクルーズを楽しむという「フライ&クルーズ」が一般的だ。海外への往復航空料金がかかるため、欧州などでは、10日間程度のクルーズでも50万円以上となるケースがほとんど。さらに、現地の空港からクルーズの発着港への移動なども必要で、旅慣れたリピーターでなくては楽しめなかったというのが実情だ。

 それに対し、日本寄港なら海外航空料金は不要で、東京や横浜、神戸といったアクセスのよい港から出港できる手軽さと、価格面でも1泊1万円程度のツアーもあり、通常の国内や近隣国旅行と比べても割安といえる。

 英大手のキュナード・ラインのマッド・クリーブス副社長は「日本は核となる市場になる」と語る。同社は、昨年は1回7泊分だった主力の「クイーン・エリザベス」の日本周遊を今年は2回16泊分、来年は7回61泊分と大幅に増やす方針だ。米大手のプリンセス・クルーズも日本人スタッフを拡充するなど、日本向けの強化を打ち出している。

日本船も改修相次ぐ

 一方で、日本勢も商機を逃さない。日本郵船は、日本船籍最大の大型クルーズ船「飛鳥II」を来年、大規模改修する計画を発表。環境規制に対応する排ガス脱硫装置「スクラバー」の搭載なども目的だが、この改修で和風の露天風呂を新設する。商船三井も、「にっぽん丸」を改装する計画だ。

 大手旅行会社の幹部は「日本では半年以上先の長期休暇や旅行を計画するというのは難しく、世界では1年前の予約が当たり前のクルーズはなじまなかった。しかし、働き方改革で休みの重要性も認識され始めており、長期休暇の予定が立てやすくなっている。このことがクルーズ需要の拡大に一役買うだろう」と期待を寄せている。(経済本部 平尾孝)

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