知恵の経営

社長と会長の違いとはいったい何なのか (1/2ページ)

 先日、久方ぶりに親しい中小企業経営者であるW氏にお会いする機会があった。W氏は、苦労に苦労を重ね、今や、日本を代表する名中小企業経営者と高く評価されている方であるが、「名刺が替わりましたので」と言って、渡してくれた名刺を見ると、「相談役」となっていた。(経営学者・元法政大学大学院教授 人を大切にする経営学会会長・坂本光司)

 筆者は、「会長にはならなかったのですか」と聞くと、W氏は「代表取締役会長とか、会長とか、あるいは最高顧問とか、社長退任後、色々な肩書で頑張っていらっしゃる経営者を多く見ていますが、自分はそういったポストに就くことは考えませんでした。自分の性格からいって、必ず社長や社員に口出しをしてしまうからです。ですから、あえて困ったときには相談しなさいという意味で「相談役になったのです」と話してくれた。

 筆者が「逆に離れてみていると、言いたいことが、次から次に出てくるのではないのですか」と、さらに質問をすると、W氏は「その通りですが、そんなことをしたら、せっかくバトンを受け、より良くしようと張り切っている新社長の邪魔になってしまいます。それどころか、社内にまるで院政が敷かれ、2頭政治となってしまい、社員が誰の指示に従った方がよいのか分からなくなってしまいます。極端な場合、社内に会長派と社長派ができてしまい、こんな組織運営で、社員の帰属意識や、モチベーションが高まるはずはないのです」と話してくれた。

Recommend

Ranking

アクセスランキング

Biz Plus