現場の風

JERA 東電、中部電の「いいとこ取り」模索へ

 JERA副社長・伊出俊一郎さんに聞く

 --O&M本部で実施している組織融合とは

 「O&M本部の役割は発電所と燃料基地の運転と保守を行い、設備能力を最大限に引き出すこと。東京電力ホールディングスと中部電力の燃料や火力発電事業を統合したJERAは、設備能力発揮のために両社のいいところを吸収して高い次元を目指しており、互いの3発電所のトップを入れ替える人材交流を行った」

 --人材交流で何か発見は

 「人員を入れ替えてみると、普段使っている言葉から違った。たとえば勤務シフトで使う「1直」「2直」という言葉だが、東電は1直を昼勤務、2直を夜勤の意味で使っていたが中電では逆の意味だった。それが分かって、今は用語集を作ったりしている」

 --互いから学ぶ点もあったのでは

 「東電はトヨタ自動車式の『カイゼン』を徹底してやっていた。中電もやり始めたところだったが、東電が先行していたので学ぶところがあった。一方、無人化や省力化の取り組みは中電が先行していて、東電は常に運転を監視する『常時監視』だが、中電は必要なところだけ監視する『随時監視』という手法で、少人数で運用できるようにしていた。どうやって“いいとこ取り”をするか2022年までにとりまとめたい」

 --融合に向けてみえてきた課題はあるか

 「互いの組織体系は大きく違っている。中電はフラットな組織で管理職は少なく1人の課長が多くの機能を持ち、みんなで話し合って決めるやり方。だからいろんな人が同じことをできる。対して東電は課長級のゼネラルマネジャーが何人もいて専門性とスピード感がある。単純に間をとると昔ながらの組織に戻ってしまうので、どっちをとるかではなく、間をとるのでもない。今後どうしていくか意見を戦わせていきたい」

【プロフィル】伊出俊一郎

 いで・しゅんいちろう 京都大工学部卒。1983年中部電力。執行役員火力センター所長、常務執行役員静岡支店長などを経て、今年4月から現職。愛媛県出身。

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