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養殖支援ベンチャーのウミトロン 世界初 洋上養殖魚の食欲を自動判定

 養殖支援ベンチャーのウミトロン(東京都港区)は、洋上のいけすで飼育される養殖魚の食欲を自動で判定するシステムを世界で初めて開発し、21日に東京都内で開かれた水産関連の展示会で公開した。これまで経験と勘に頼っていたいけすでの餌やりの無駄を減らせる。

 「UMITRON FAI(ウミトロン・エフエーアイ)」は、魚が餌を食べている様子を自動給餌機内のカメラで動画撮影。その映像をもとに、人工知能(AI)の一種である機械学習を使って魚の食欲を自動で評価する。「よく食べている」とか「全く食べていない」といった魚の食欲に関する情報を生産者のスマートフォンなどに知らせる。生産者はこの情報をもとに、餌やりの可否を判断。食欲がないときには餌やりを一時中断できるようになる。

 従来は生産者が洋上のいけすに船で直接出かけて、目視で魚のようすを確認して、餌やりの時期や餌の量を決めていた。水産養殖に関する費用の3分の2が餌代で占められ、養殖業者の経営圧迫要因のひとつとされる。

 ウミトロンはスマホによる遠隔操作で餌をやる養殖業向け自動給餌機を開発。約30の養殖業者が採用している。藤原謙社長は「多くの人に使ってもらうことで、日本の水産業の競争力向上を後押ししたい」と語った。

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