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「ウィルキンソン」10年で13倍 炭酸水の市場が急拡大したワケ (3/4ページ)

 空前の“ハイボールブーム”も追い風に

 2008年から売り上げが伸び始めたのは、酒類で競合するサントリーが仕掛けた「ハイボール」人気と関係がある。

 この年、サントリーでは「ウイスキーを何とかせい!」と佐治信忠会長兼社長(当時)が発破をかけ、復活に向けた取り組みが始まった。それが短期間で成功したのは有名な話だが、筆者も2010年、当時のサントリー酒類社長に「ウイスキーV字復活劇」を取材した。その際に印象に残った話が、次の内容だった。

 それまでサントリーが勧めてきた、ウイスキーの水割りやロックの黄金比率(アルコール度数が12%以上)を、消費者は「濃い」と感じていた。好んだのは8%に薄めた味だった。レモンを軽く搾ることも好評だった。いずれもメーカーの“常識”を変えるものである。

 一連の取材では、「健康問題に敏感な先進国では、アルコール度数の高い酒ははやらないが、割って薄めれば度数も下がり、飲みやすさとともに健康を気にする中高年の嗜好(しこう)にも合う」という話も聞いた。

 それがすべてではないが、アルコール度数を薄める=割り材として炭酸水の使われる量が増えたのも、業務用として強かったウィルキンソンの追い風になったのは間違いない。

 「ハイボールを自宅で作った人も、割り材として残った炭酸水をそのまま飲んでいた。それも炭酸水の直飲み需要へとつながっていきました」(本松氏)

 炭酸水は時間がたつと炭酸が抜けるため、2010年までウィルキンソンは190ミリリットルの小瓶だけだった。それでも2008年から2010年まで、炭酸水の需要はぐんぐん拡大。そこで2011年にペットボトルを投入したところ、直飲みの需要が一気に爆発したのだ。

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