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「有人・無人共生し選択肢増やす」日の丸交通・富田社長

 昨年、世界初の自動運転タクシーの公道営業走行に踏み切った日の丸交通の富田和孝社長に真意を聞いた。

 --自動運転に積極的に取り組む背景は

 「東京五輪・パラリンピックなど需要拡大が控えているのに人手不足で車が寝ている現状では、白タク(許可を得ないタクシー営業)が合法化される可能性が高まってしまう。自動運転で車が少しでも動けば乗車ニーズに応えられ、経営も安定化し、業界発展につながる」

 --運転手不要論が広まる恐れもあるが

 「外国語で観光客を案内する観光タクシー、子供だけで乗車できる子育てタクシーなど、有人サービスの需要は高い。逆に単に運ぶだけの運転手は不要になる。自動運転は、有人サービスを再評価してもらう追い風だ。社会的ステータスが高まれば人材も集まってくる」

 --車がつかまりやすくなって運賃も下がるならライドシェアへの期待もある

 「約15年前に規制緩和でタクシー台数が急増した際、パイを奪い合う過重労働で事故や低賃金が社会問題化し再規制された経緯がある。質が高くない車が増えれば同じことが起こり、顧客のためにならない」

 --目標は

 「有人と無人が共生するサービス構築で選択肢を増やす。個別客に対応してきた経験を生かし、配車アプリではカバーできないニーズ把握を強みにする」

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