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シリーズ物ばかり…これも時代が原因か 社会学者の分析で知るテレビCM (2/4ページ)

 ですから、ここでは、サントリーと『広告批評』の相性の「本当の」理由を探るよりも、あくまでも現象に注目します。それは、アサヒでもサッポロでもキリンでもなく、サントリーが評価され続けた時代こそ「平成」だった、という点に着目したいのです。

 ランキングの偏りが示す「平成」の時代

 たとえば、「アンチドライ」の標的となっていたアサヒは、ビールも飲料も、どちらも20年間でひとつも選ばれていません。また、キリンは、平成13年(2001年)にジャニーズのTOKIOや、いかりや長介、広末涼子に「カンパイ! ラガー!」と歌わせるCMが2位になったものの、それ以外では、清涼飲料水が3本選ばれているにすぎません。

 サッポロも山崎努と豊川悦司の温泉卓球が平成12年(2000年)に1位に、その2年後には、中年男性を主人公に据えた「Love Beer?」が10位に入っていますが、合計で3本にとどまります。

 21本のサントリーに対して、ほかの3社を合計しても7本だけです。これだけを見ると、サントリーが『広告批評』に偏愛されたり、えこひいきされたりしているようです。しかしながら、こうした偏りは、サントリーだけではありません。

 大日本除虫菊、キンチョーは、先述の通り12本選ばれているのに対して、同業他社はゼロです。また、ナイキも8回入っているものの、これについても同じく、ほかのメーカーは選ばれていません。魔法瓶でも象印だけが選ばれ、ほかは入っていません。もちろん、魔法瓶について言えば、象印以外の会社が、あまり積極的にテレビCMを放送していない、という背景もあります。

 ただ、サントリーほどではないにしても、明らかに『広告批評』という雑誌、そして、そこに集い「広告ベストテン」を選ぶ人たちとの相性の良し悪しがあります。その様子が、ランキングの、こうした偏りから見てとれます。

 そして、それが「平成」という時代を特徴づけるのです。では、それは何でしょうか。『広告批評』から見る「平成」とは何でしょうか。

 その特徴は、変わらなさ、です。

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