テクノロジー

火星に移住すると? 京大生ら米施設での実習報告

 人工の熱帯雨林や海など地球の生態系を再現した米アリゾナ州の閉鎖環境施設「バイオスフィア2」で行われた将来の火星移住を想定した共同実習に参加した京都大の学生らが2日、同大で会見し、活動内容や成果を報告した。

 バイオスフィア2は、1991年に米アリゾナ州の砂漠に建設された施設。宇宙移住を想定した閉鎖環境下での研究を念頭に、甲子園球場(兵庫県西宮市)のグラウンド面積に相当する1・27ヘクタールの敷地内に、熱帯雨林や砂漠、海など地球の生態系を人工的に再現したエリアが整備されている。

 将来的には同様の施設を火星に設置し、生活することが想定されているという。同施設では91年から2年間、科学者の男女計8人が食料や水、空気などを自給自足しながら共同生活する実験も行われた。

 実習は、京都大の山敷庸亮(やましき・ようすけ)教授(水環境工学)や宇宙飛行士で京大特定教授の土井隆雄さんらのグループが、将来の宇宙活動を牽引(けんいん)する人材を育成しようと教育プログラムとして実施された。

 京大からは農学部や工学部、医学部などから計5人の学部生が参加。米アリゾナ大との共同で、8月5~10日の日程を通して、火星に移住した際の居住施設の建設に関わるさまざまな課題について議論を重ねながら検討した。

 参加した日米の学生10人は2人一組となって、閉鎖環境内における樹木の光合成の効率や人工海の水質調査、火星での放射線量のシミュレーションなどを行い、実習の結果は宇宙飛行士も実際に使う「クルーノートブック」にまとめた。このほか、施設内で行われた宇宙飛行士の油井亀美也さんらとの対談を通じて、宇宙での生活などについて理解を深めた。

 参加した農学部3回生の久保朋美さん(21)は「地球の環境維持の困難さや自然保護の大切さを痛感する機会になり、将来自分が取り組みたいことをより明確に描く助けになった」と振り返った。グループは来年度と再来年度も実習を行う予定で、京大以外の国内の他大学の学生にも公募の対象を広げるという。

Recommend

Ranking

アクセスランキング

Biz Plus