高論卓説

大手企業が地方を再活性化 地域の悩み、技術応用で解決目指す (1/3ページ)

 大手メーカーが持つ技術や製品、取り組みを生かして、地方の再活性化を促す動きが急だ。埼玉県東部の越谷市は富士通と組み、IoT(モノのインターネット)を活用したメロン水耕栽培の研究を7月から本格的にスタートさせた。

 越谷市は、大消費地である東京の都心から約25キロと近い。地理的優位性を生かしヘタが赤い完熟イチゴを生産・出荷している。「最近は出荷価格が9粒で3000円にもなった。生産量なら栃木県だが、味と収益性なら越谷のイチゴ」(越谷市)と話す。市が「第2のイチゴ」として狙うのがメロンである。

 富士通は、温度、湿度、照度、二酸化炭素(CO2)濃度など栽培に関わるハウス内の環境データを小型センサーで収集しクラウドに蓄積。栽培環境と収穫量や品質との関係を解析していく。市の担当者は「早ければ来年度にも、効果的な水耕栽培の方法を確立し形にしたい。新規就農者の確保につながれば」と話す。高橋努・越谷市長は「富士通の技術を得て、メロンを高収益な農作物に育てたい」と期待を寄せる。

 日産自動車はEV(電気自動車)の活用により、過疎化対策や観光振興、防災といった地方・地域が抱える課題解決を目指す「ブルー・スイッチ」という取り組みを、昨年5月からスタートさせている。

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