関西電力は4日、家庭用の太陽光発電の固定価格買い取り制度(FIT)の最初の契約期間が11月から順次終了するのに合わせて、家庭で発電した余剰電力に応じて電気料金をキャッシュバックする新サービス「貯めトクサービス」を11月から始めると発表した。すでに1キロワット時当たり8円で買い取ることを明らかにしており、「卒FIT」顧客の取り込みを図る。
サービスは余剰電力を関電が仮想的に「預かる」仕組み。ためた電力量は、実際に消費した電力量に充当され、電気料金が還元される。月間でためられる容量は50キロワット時、150キロワット時、無制限の3種類あり、基本料金が異なる(月額800円、2350円、5千円)。契約した容量を上回った余剰電力は、通常の買い取り価格と同じ1キロワット時あたり8円で関電が買い取る。
関電によると、今年度中に卒FITを迎える世帯は関電管内で約9万世帯。このほかに蓄電池をリースするプランを示しており、「通常の買い取り以外でも利用者の選択肢を増やしたい」としている。
卒FITをめぐっては、大阪ガスが電気とガスのセット販売に申し込んだ顧客に1キロワット時当たり9~9・5円の買い取り価格を発表。パナソニックとNTT西日本の子会社、NTTスマイルエナジーはパナソニック製の蓄電池などを新たに購入して最初の1年間に限り最大同16円で買い取るサービスを始める。