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ドローン、農業現場での普及を後押し 政府、人手不足背景に規制緩和へ (1/2ページ)

 人手不足が深刻な農業現場でのドローン活用に期待が集まっている。国も農薬の散布の他、農産物の生育調査や運搬など、活用の幅を広げたい考えで、規制緩和を進めて普及を後押しする。今後は、農家が実際に使える環境を整えられるかが鍵となりそうだ。

 ふわりと浮かんだドローンがリンゴの木の上を往復する。5月下旬、岩手県一関市のリンゴ畑では、ドローンでの農薬散布実験が行われていた。農薬に見立てた水を上空からまき、葉の表面や裏側にどの程度つくかを調べるもので、風速やドローンの移動速度によって変わる付着率を記録する。

 その後、実際に農薬をまいて経過を観察。得たデータは農家などと共有することを検討している。実験を行うスカイシーカー(東京)の佐々木政聡社長は「農薬はまき方を間違えると作物が傷み出荷できなくなることもある。安心してドローンを使えるようデータを集めていく」と意気込む。

 国は2019年をドローンなどの先端技術を使った「スマート農業」の「実装元年」と位置付ける。農家の高齢化や人手不足への対応策として期待をかけており、規制緩和を進める。7月には国土交通省が「飛行マニュアル」を改定。農薬散布時に操縦者以外に必要だった補助者の配置を、条件を満たせば不要にした。

 農業用航空機の認定などを行う農林水産航空協会(東京)によると、同協会でのドローンの機体登録数と操縦認定者数は17年7月と19年7月を比べいずれも約4倍に急拡大。現場での活用が徐々に進んでいる。

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