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ビール類市場、猛暑・駆け込みで好調 8月3%増、9月も増産準備

 ビール大手4社の8月のビール類(ビール、発泡酒、第3のビール)販売動向が11日、出そろった。プライベートブランドを含めたビール類市場全体は前年同月比3%増。上・中旬の猛暑が需要を押し上げた。10月の消費税率引き上げに伴う駆け込み需要の取り込みの動きも一部で始まり、3社が前年同月比でプラスを確保。9月は各社とも駆け込み需要対策で主力商品の増産を計画しており、スーパーなどの量販店でビール類の箱の山が並びそうだ。

 ジャンル別ではビールが3%減、発泡酒が2%減だった一方、第3のビールは13%増と好調だった。業務用が月後半の悪天候の影響を受け、ビールは4社中3社がマイナスとなり、全体を第3のビールが支えた。

 サントリービールは全体で13%増。第3のビールは「金麦〈ゴールド・ラガー〉」などが好調で20%増、金麦ブランドは、まとめ買いの販促活動を展開した結果、35%増と伸びた。ビールは前年並だが「ザ・プレミアム・モルツ」ブランドは3%増だった。

 キリンビールは全体では2%増。ビールは2%減ながら「一番搾り」の缶が10%増と過去10年で最多販売数量を記録。第3のビールでは「本麒麟」が62%増と好調を維持した。

 サッポロビールも2%増。8月27日リニューアル発売の「麦とホップ」が9月6日に累計出荷3000万本(350ミリリットル缶換算)を突破するなど8月単月の販売数量を押し上げ、第3のビールは21%増だった。

 アサヒビールは全体で前年並み。ビールは「アサヒ スーパードライ」で業務用ビール需要が落ちて5%減。第3のビールは13%増で、牽引(けんいん)する「極上〈キレ味〉」の年間販売目標を従来の400万ケースから500万ケースに上方修正した。

 アルコールは10月から消費税率が10%に引き上げられるため、各社とも駆け込み需要が起きるとみて、増産と景品を付ける箱買い促進策を組む。

 アサヒはスーパードライで前年同月比2割増産。キリンは本麒麟で8割増などビール類全体で2割増産、サッポロは1割増産を組んだ。8月から全体で1割増産をかけるサントリーは、9月から主力ビールの「ザ・プレミアム・モルツ」2箱パック購入者に、ミネラルウオーターの「サントリー 天然水」1リットルペットボトル6本を後日配送する販促を展開中という。(日野稚子)

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