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スギノマシン 微粒化装置の海外への拡販目指す

 □スギノマシン社長・杉野良暁さん(50)

 --6月、18年ぶりの社長交代で就任した

 「会社組織が大きくなるにつれ、いわゆる『大企業病』に陥りがちだ。これまでも、当社は失敗を重ねながらイノベーションが生まれ、新しい製品・事業を育ててきた。社員には『失敗しても良いからチャレンジ精神で仕事に取り組もう』と発破をかけている」

 --2020年3月期の業績見込みは

 「前期比ほぼ横ばいの見通しだ。米中の貿易摩擦や英国のEU(欧州連合)離脱など不透明な世界情勢の影響を受け、自動車をはじめ設備投資に慎重となり、受注までの期間が長期化している。一方で、EV(電気自動車)など次世代車向けや生産工程の自動化、5G(第5世代移動通信方式)、プラント関連は堅調なため、全体でみれば大きな業績変動はなさそうだ」

 --デジタル化の進展で大変革期にある

 「品質の良い機械をつくることはもちろん、アフターサービスなどソフトの充実がより重要になってくる。自動車の電動化で求められる技術要素や使用される素材も変わってきた。自動車のさまざまなパーツでよりクリーン度が求められ、当社の超高圧水洗浄装置が導入される工程も変化している。既存技術であっても顧客ニーズにあったアプリケーションを開発すれば、まだまだ伸ばせる余地がある。マーケティングの重要性が増しており、モノから“コト”売りを推し進める」

 --期待する新事業・製品は

 「微粒化装置は特に期待している。当社技術の核となるウオータージェット技術をベースにした製品で、医薬品や化粧品、電子材料、複合機のトナーなど粉体関連のさまざまな用途で引き合いが増えている。現時点では国内のみで販売しているが、今後は欧米を中心に海外でも拡販していく」

【プロフィル】杉野良暁

 すぎの・よしあき 慶応大卒。1997年スギノマシン入社。海外事業本部長、常務、専務を経て2019年6月から現職。富山県出身。

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