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売上5億円で赤字367億円のPayPay プロが赤字額に全く驚かないワケ (2/5ページ)

 設備投資とキャンペーンの違い

 設備投資とキャンペーンの違いは、決算書に計上されるタイミング。キャンペーンの場合は、実施した年に全額が費用として表れるが、設備投資は違う。たとえば、新規事業のために100億円を使い工場を建設すると、貸借対照表に固定資産100億円と記載される。そのうえで工場の耐用年数が20年であれば、100億円を20年かけて徐々に経費計上していく。

 結果的に赤字になりにくいわけだが、新規事業から撤退することになった場合には、大きな影響が出る。減価償却の残りが一気にマイナスとなって表れ、赤字に転落する可能性がある。工場を閉鎖するにも莫大な費用がかかるので、大きな痛手となる。

 ITビジネスでは固定資産が少ないので、赤字が見えやすい。決算書を確認してみると、PayPayは、407億円の総資産のうち現金及び現金同等物(流動資産)が335億円を占め、固定資産はかなり少ないようだ。LINE Payも流動資産113億円に対して、固定資産は36億円。メルペイも流動資産6.3億円に対し、固定資産は0.6億円だ。

 流動資産とは、現預金のほか、主におおむね1年以内に現金化される資産だから、この金額に余裕があれば、資金繰りに窮することはない。その意味では約6億円しか流動資産を持たないメルペイが不利に見えるが、正しく判断するには親会社の状況も併せて考える必要がある。

 親会社のサポート力の勝敗は

 親会社の決算を見る場合のポイントは現預金、純資産、利益の3つだ。

 現預金を多く保有していれば、子会社の資金需要に対応できることを意味する。また、純資産や利益が大きければ子会社が大きな赤字を出してもそれに耐えうる体力がある。この場合の利益とは、営業利益でも経常利益のどちらでもいい。営業利益は本業で稼いだ利益を表す。経常利益は営業利益に資産運用による利益など、本業以外で稼いだ利益を加えたものだ。

 LINE Payの親会社であるLINEの決算を見ると、18年12月期(連結)で売上収益(売上高)が2071億円で営業利益は161億円。これは子会社LINE Payの業績も織り込んだ数字だ。

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