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曙ブレーキ、岡山県の工場閉鎖へ 560億円債務免除の同意取り付け

 経営再建中の曙ブレーキ工業は18日に東京証券取引所に提出した事業再生計画の中で、岡山県総社市にある子会社工場を閉鎖すると明らかにした。これを含め、日米欧で最大6工場を閉鎖することなどを盛り込んだ。取引のある全37の金融機関が計画を承認したのに伴い、有利子負債の約5割に相当する総額560億円の債権放棄の同意を得た。これにより、私的整理の一種である事業再生ADR(裁判以外の紛争解決)の手続きが成立した。

 ドラムブレーキなどの製造を担う曙ブレーキ山陽製造を段階的に縮小、閉鎖する。ディスクブレーキパッドなどを製造する曙ブレーキ福島製造(福島県桑折町)も縮小する。

 米国でもサウスカロライナ州、テネシー州などの3工場を閉鎖。欧州ではフランスとスロバキアの工場について、自社に損失が生じない形での提携や売却を模索する。これが実施できない場合は新規の受注や設備投資を停止し、既存商品の生産を一定期間続けた後、閉鎖するという。両工場の状況をみてドイツの営業・開発拠点も閉鎖する。

 債務免除は今月27日の臨時株主総会で第三者割当増資に関連する議案が全て原案通り可決されることを条件としている。また、この総会を経て信元久隆会長兼社長(70)が経営責任を取って退任し、元日本電産常務執行役員の宮地康弘氏(62)が後任社長に就任する予定だ。

 曙ブレーキは、米国市場で大口顧客の受注を逃したことで経営が悪化し、事業再生ADRを申請していた。

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