金融

収益モデル限界、銀行に危機感 口座維持手数料の導入、決断する契機は (2/2ページ)

 実際、銀行の我慢は限界に近い。日銀は2016年に短期金利をマイナス0.1%に引き下げ、銀行が日銀に預ける当座預金の一部に手数料を課したが、短期金利が指標となる大手銀行の普通預金金利は0.001%と約0%で止まっている。マイナスに下げれば、利用者が銀行から離れタンス預金が増加するからだ。

 ただ、「貸出金利は市場金利に連動して下がり、利ざやと資金利益がその分減少する」(三井住友信託銀の橋本勝社長)状況で、特に地方銀行は約6割が10年後には最終赤字に陥る見込み。マイナス金利の深掘りはまさに死活問題となる。

 一方、口座の維持管理をめぐっては、今秋に国際組織が対日審査に入るマネーロンダリング対策で本人確認や取引の監視に1口座当たり1万円超の費用がかかり、銀行経営を圧迫する。

 国内では取引に使われない休眠口座が膨大な数に上り、りそな銀行は2年以上出入金のない残高1万円未満の口座から年1200円の手数料を取っている。各行が口座維持手数料を設ける場合、こうした利益を生まない個人口座の圧縮が一つの焦点になりそうだ。

 マイナス金利政策を採用したスイスでは金融大手クレディ・スイスが今月から、UBSが11月から口座維持手数料を設定するなど、海外ではコストを回収する動きが進む。日銀がマイナス金利の深掘りに踏み込めば、邦銀が口座維持手数料の導入を決断する契機になりそうだ。(田辺裕晶)

Recommend

Ranking

アクセスランキング

Biz Plus